慶應義塾大学 先導研究センター 宇宙法センター(通称:宇宙法研究所)/ Keio Advanced Research Center for Space Law [Institute of Space law]

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堀川康・国連宇宙空間平和利用委員会議長よりメッセージ

宇宙法研究所への期待

宇宙航空研究開発機構 技術参与
国連宇宙空間平和利用委員会 議長(2012-2013)
堀川康


 2012年5月、無人補給機ドラゴンが国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられた。ドラゴンは、アメリカのベンチャー企業であるスペースX社が開発した補給機であるが、これまでスペースシャトルなど政府が開発した宇宙船が担ってきた役割を、同機が担うことになる。宇宙開発に新しい時代を切り開くものとなるであろう。


 宇宙の利用が加速されるにつれて、民間企業だけでなく、様々な国が宇宙開発に参画するようになっている。宇宙機の所有機関を国籍でカウントすると、1990年は21カ国であったものが、2000年には37カ国、2012年には51カ国と増加してきている。人類の活動領域としての宇宙空間の重要性が、今後、より一層高まることは想像に難くない。


 宇宙空間は「自由に探査し及び利用することができる」領域であるが、その探査及び利用は「全ての国の利益のために」行われなければならず(宇宙条約第1条)、活動の自由と国際的な公共性を兼ね備えた特別な領域である。また宇宙空間でのさまざまな形態の利用は主として地球を周回する軌道に制約され、この有効な軌道は限られたりソースとなっている。この宇宙空間を増加する多くのプレーヤーが持続的かつ有効に活用するためには、国際的なルールの確立が必要となっている。


 宇宙開発において我が国が今後もリーダーシップを発揮していくためには、技術面だけでなく、このような制度面での国際的な貢献が不可欠である。宇宙法のあるべき姿を論じ、世界に対して提言を発信することができる実務を担う人材を育成し、新たな法規範を形成していくことが喫緊の課題と言える。その基盤の育成として、宇宙法研究所が果たす役割は大きいであろう。


 我が国そして世界の宇宙法研究の拠点として、宇宙法研究所が発展していくことを期待している。

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